センバツ21世紀枠候補9校の一覧。1月28日の選考委員会で3校が選ばれる。同日には一般選考28校、神宮大会枠(近畿)1校を含めた出場32校が決まり、3月11日に組み合わせ抽選が行われる。開幕は3月18日。(赤字は秋季大会の成績、青地の部員数は3年生を除く新チーム発足時)

センバツ目指す秋季大会 大阪桐蔭、花巻東、広陵などV/結果一覧


センバツ21世紀枠・各地区の候補9校
センバツ21世紀枠・各地区の候補9校

21世紀枠とは

困難な練習環境を克服したり、地域貢献など、野球以外の要素を選考条件に加え、甲子園出場のチャンスを広げる目的で01年から導入された。推薦校は原則、秋季都道府県大会の16強以上(加盟129校以上は32強以上)から選出。07年までは2校、08年から3校を選出(記念大会の13年は4校)。前回は新型コロナの影響で昨年秋の明治神宮大会が中止。優勝校地区に与えられる神宮枠がなくなったため、1枠増の4校になった。今回は3校選手。東、西日本から各1校、残り1校は地域を限定せずに選ぶ。同枠の過去最高成績は、01年宜野座(沖縄)、09年利府(宮城)の4強同枠の過去最高成績は、01年宜野座(沖縄)、09年利府(宮城)の4強


21世紀枠・過去の出場校


出場校
01安積(福島)※宜野座(沖縄)
02※鵡川(北海道)松江北(島根)
03柏崎(新潟)隠岐(島根)
04一関一(岩手)八幡浜(愛媛)
05※一迫商(宮城)高松(香川)
06真岡工(栃木)金沢桜丘(石川)
07都留(山梨)※都城泉ケ丘(宮崎)
08※安房(千葉)※成章(愛知)※華陵(山口)
09※利府(宮城)彦根東(滋賀)大分上野丘(大分)
10山形中央(山形)※向陽(和歌山)川島(徳島)
11大館鳳鳴(秋田)佐渡(新潟)※城南(徳島)
12女満別(北海道)石巻工(宮城)洲本(兵庫)
13※遠軽(北海道)いわき海星(福島)益田翔陽(島根)土佐(高知)
14小山台(東京)海南(和歌山)大島(鹿児島)
15豊橋工(愛知)桐蔭(和歌山)※松山東(愛媛)
16※釜石(岩手)長田(兵庫)小豆島(香川)
17不来方(岩手)多治見(岐阜)中村(高知)
18由利工(秋田)膳所(滋賀)伊万里(佐賀)
19石岡一(茨城)富岡西(徳島)熊本西(熊本)
20帯広農(北海道)磐城(福島)平田(島根)
21八戸西(青森)三島南(静岡)東播磨(兵庫)※具志川商(沖縄)

※は1勝以上挙げた学校、最高成績は宜野座と利府の4強、20年は中止


北海道=札幌国際情報(道立)

道大会4強

部員60人

95年創立の道立高で、全校生徒960人(女子580人)。札幌地区トップクラスの進学校で、英語部が今夏の全国高校総文化祭英語部門で最優秀賞を受賞。野球部も創立の95年に創部され、現在の部員は計81人(1年30、2年31、3年20人)。06年7月から元日本ハム投手の有倉雅史監督(54)が指揮を執る。夏は19年と、北海道高野連独自開催だった20年に2年連続で南北海道大会決勝に進出。コロナ禍で練習時間の制限がある中、今夏も4強進出と、継続して好成績を残している。主なOBには、サッカーJ1福岡DF奈良竜樹(28)、ソチ五輪リュージュ代表の金山英勢(31)

センバツ21世紀枠の北海道地区候補に選出された札幌国際情報の選手たち
センバツ21世紀枠の北海道地区候補に選出された札幌国際情報の選手たち

東北=只見(福島=県立)

県大会8強

部員18人(うち女子マネジャー2人)

学校がある只見町は奥会津にあり、日本有数の豪雪地帯。冬はグラウンドが雪に埋もれるため、野球部の練習も制限される。限られた屋内スペースの他、雪上ノックなどで鍛えている。今秋の福島大会は登録選手が18人と少なかったが、3回戦の相馬東戦は9回に追いつき、11回にサヨナラ勝ち。4回戦の会津学鳳戦も8回に逆転と、粘り強く戦い、県ベスト8まで勝ち上がった。48年に南会西部高校伊北分校として開校した県立校。全校生徒数は87人(8月25日現在)。町の山村教育留学制度があり、全国から生徒を受け入れている

◆只見高校 1948年(昭23)、県立南会西部高校伊北分校として開校。幾度かの学科再編を経て、54年に現在地に校舎が建設。64年に只見高校として独立昇格。全校生徒87人のうち、約30人が町外から「山村教育留学制度」で入学。卒業後、そのまま只見で就職する人もいる。野球部は76年創部。これまでは、08年夏の県16強が最高成績

センバツ21世紀枠候補に東北地区から選出され、吉津塁主将(前列中央)の発声で気合いを入れる只見の野球部員
センバツ21世紀枠候補に東北地区から選出され、吉津塁主将(前列中央)の発声で気合いを入れる只見の野球部員
只見高の場所
只見高の場所

関東=県太田(群馬=県立)

県大会8強

部員22人

創立124年目を迎えた歴史ある男子校で、県内有数の進学校としても知られる。昨年度は東大をはじめとした国公立大学に、155人の合格者を輩出(現役は135人)。昨年秋の県大会で1回戦負けを経験した野球部は今年、快進撃をみせた。春夏連続で群馬県大会で4強入り。春の県大会3回戦では、夏王者の前橋育英にコールド勝ちした。今秋は準々決勝で高崎健康福祉大高崎に敗れたが、8強入りを果たした。1897年(明30)に群馬県尋常中学校新田分校として開校した県立校。基本理念に「文武両道」「質実剛健」を掲げる

21世紀枠候補校に選出され、ガッツポーズをみせる県太田ナイン(撮影・阿部泰斉)
21世紀枠候補校に選出され、ガッツポーズをみせる県太田ナイン(撮影・阿部泰斉)

北信越=丹生(にゅう、福井=県立)

県大会4強

部員31人(うち女子マネジャー4人)

今秋の県大会ではノーシードから4強入り。準決勝では同大会を制した福井工大福井に大敗したが、北信越大会進出をかけた第3代表決定戦で敦賀気比と中盤まで接戦を演じた。敗れはした(3-8)が、敦賀気比は北信越大会で優勝しており、力を示した。1925年(大14)創立の共学県立校で、21年度の生徒数は333人。野球部は1949年(昭24)の創部で、現在の部員数はマネジャー4人を含めて31人。これまで春夏通じて甲子園の出場はなく、センバツ出場が決まれば、初の聖地となる。OBに今季プロ初勝利を挙げた広島玉村昇悟投手(20)。学校は日本海に面した越前岬のある丹生郡越前町に所在する。同町は越前がにを水揚げし、古くから越前焼陶器の産地としても知られている


東海=相可(おうか、三重=県立)

県大会8強

部員28人(うち女子マネジャー3人)

創立110年を超える伝統校で、甲子園大会は夏に3度出場している(63年、79年、83年)。その後は遠ざかっているが、今年の秋季大会では8強と健闘。同校は松阪牛の肥育などを行う学科があり、ナインも野球と学業を両立している。学校のある三重県中部の多気町は松阪市などど隣接。古くから交通の要所で知られ、現在も伊勢自動車道と紀勢自動車道の勢和多気ジャンクションがある。櫛田川が流れ、伊勢いもや柿、みかん、しいたけなどが栽培されている

東海地区のセンバツ21世紀枠候補校に選出された相可ナイン(撮影・三宅ひとみ)
東海地区のセンバツ21世紀枠候補校に選出された相可ナイン(撮影・三宅ひとみ)

近畿=伊吹(滋賀=県立)

県大会8強

部員29人(うち女子マネジャー3人)

滋賀県北部の米原市にあり、日本百名山の1つで滋賀県最高峰の伊吹山(標高1377メートル)を仰ぎ見ることができる。冬は積雪のため練習に制限がかかる。近年は強豪校に惜敗することが続いており、今秋の県大会では8強。準々決勝は近畿大会に出場した近江に9回サヨナラ負けしたが、1回戦から3回戦まですべてコールド勝ちするなど、実力を見せていた。83年創立の県立校。普通科のみだが、体育コース、学力充実コース、学力発展コースと3つのコースを設けた特色ある教育を行っている

伊吹山を背に記念写真に納まる伊吹の野球部員(撮影・加藤哉)
伊吹山を背に記念写真に納まる伊吹の野球部員(撮影・加藤哉)
伊吹山(撮影・加藤哉)
伊吹山(撮影・加藤哉)

中国=倉吉総合産(鳥取=県立)

県大会準優勝→中国大会初戦敗退

部員29人(うち女子マネジャー3人)

今秋の県大会で準優勝。中国大会では初戦で同大会を制した広陵に0-6で屈したが、粘り強い戦いをみせた。県中部地区の県立専門高校として工業、商業、家庭の3学科を設置。地元産業に貢献できる生徒の育成に取り組んでいる。授業の一環として、倉吉市内の中心施設でのイルミネーション設置作業や、地元企業と連携しての商品開発なども行っている。野球部員も所属する学科での資格、検定の取得を目指しながら、部活との両立を目指している。学校は2003年(平15)に倉吉産と倉吉工の2校が統合され発足。21年度の生徒数は男女合わせて422人で、野球部にはマネジャー3人を含め29人が所属している


四国=高松一(香川=市立)

県大会8強

部員17人(うち女子マネジャー3人)

部員は13人と少数だが、今秋香川大会は2勝を挙げて8強に進出した。県内有数の進学校で「文武両道」を実践。四国4県の推薦校のうち松山商(愛媛)と2校に絞られた。地区選考状況では「13名の少数で丸亀城西高校や小豆島中央高校といった近年の甲子園出場校に勝利してのベスト8が大きな評価を得た」と説明。昨夏以降、すべての大会で8強以上に進出する点も大きく評価された。学業と部活動を両立させ、個人練習も重んじる。推薦理由は「近年、多くの学校が抱える部員減少というハンディを乗り越え、同じような問題を抱える学校に勇気と希望を与える機会となるためにも高松第一高校を21世紀枠候補として推薦する」とした。甲子園には春夏通算4度出場。72年夏が最後で、センバツ出場なら、49年以来、73年ぶりになる。かつて「怪童」の異名をとり、西鉄の主砲としてプロ野球の一時代を築いた中西太氏(88)が同校OBで、49年センバツでプレーした。1928年(昭3)に設立された旧制高松一中に始まる共学の市立校。21年度は871人の生徒が学ぶ(5月1日現在)。英語教育や理数教育に力を入れる

センバツ21世紀枠候補に選ばれた高松一ナインは、13人の選手と4人のマネジャーが力強くガッツポーズ
センバツ21世紀枠候補に選ばれた高松一ナインは、13人の選手と4人のマネジャーが力強くガッツポーズ

九州=大分舞鶴(大分=県立)

県大会準優勝→九州大会1回戦敗退

部員39人(うち女子マネジャー5人)

秋季県大会で今春センバツ準優勝の明豊に惜敗して準優勝。九州大会は準優勝した大島(鹿児島)との1回戦で引き分け、再試合の激闘の末、2-3で敗れた。今夏大分大会決勝も明豊に敗れていたが、着実に力をつけてきた。東大や京大に合格者を出すなど県内屈指の県立進学校で知られる。文武両道で、バッテリー中心のクレバー野球が持ち味。春夏を通じて甲子園出場はない。同校のラグビー部は全国大会で優勝歴のある強豪。主な卒業生は、歌手南こうせつ、歌手伊勢正三ら


49都道府県の推薦校は以下の通り


北海道=札幌国際情報(道立)

道大会4強


青森=弘前南(県立)

県大会4強


岩手=久慈東(県立)

県大会準優勝→東北大会初戦敗退


秋田=大館桂桜(おおだてけいおう・県立)

県大会準優勝→東北大会8強

部員の不祥事のため推薦辞退


宮城=東北学院榴ケ岡(つつじがおか・私立)

県大会8強


山形=創学館(私立)

県大会8強


福島=只見(ただみ・県立)

県大会8強


栃木=高根沢(県立)

県大会4強


茨城=下妻一(県立)

県大会4強


群馬=太田(県立)

県大会8強


埼玉=上尾(県立)

県大会4強


千葉=千葉黎明(私立)

県大会8強


東京=狛江(こまえ・都立)

都大会8強


神奈川=日大高(私立)

県大会8強


山梨=甲府第一(県立)

県大会8強


長野=松本深志(県立)

県大会8強


新潟=東京学館新潟(私立)

県大会4強


富山=砺波(県立)

県大会8強


石川=小松(県立)

県大会8強


福井=丹生(にゅう・県立)

県大会4強


静岡=科学技術(県立)

県大会8強


愛知=中部大春日丘(私立)

県大会4強→東海大会初戦敗退


岐阜=大垣南(県立)

県大会16強


三重=相可(おうか・県立)

県大会8強


滋賀=伊吹(県立)

県大会8強


京都=塔南(市立)

府大会準優勝→近畿大会初戦敗退


大阪=星翔(私立)

府大会4強


兵庫=加古川西(県立)

県大会8強


奈良=高田商(市立)

県大会準優勝→近畿大会初戦敗退


和歌山=熊野(県立)

県大会8強


岡山=玉野商工(市立)

県大会8強


鳥取=倉吉総合産(県立)

県大会準優勝→中国大会初戦敗退


広島=三原(県立)

県大会8強


島根=松江南(県立)

県大会8強


山口=宇部工(県立)

県大会4強→中国大会初戦敗退


徳島=徳島市立(市立)

県大会8強


香川=高松一(市立)

県大会8強


愛媛=松山商(県立)

県大会8強


高知=宿毛工(すくもこう・県立)

県大会8強


福岡=福岡(県立)

県大会8強


佐賀=鹿島(県立)

県大会4強


長崎=諫早農(県立)

県大会4強


熊本=熊本北(県立)

県大会16強


大分=大分舞鶴(県立)

県大会準優勝→九州大会1回戦敗退


宮崎=小林秀峰(県立)

県大会優勝→九州大会初戦敗退


鹿児島=国分中央(市立)

県大会4強


沖縄=北山(ほくざん・県立)

県大会4強


センバツ出場校候補
センバツ出場校候補