第94回選抜高校野球大会(3月18~30日、甲子園)の出場32校を決める選考委員会が、28日にオンラインを併用して開催される。昨秋の東海大会優勝で38年ぶり2度目の出場が確実視される日大三島ナインは27日、同校グラウンドで練習を行い、発表日に備えた。同大会準優勝の聖隷クリストファーも初出場が濃厚。静岡県勢の2校同時出場が決まれば、1987年の富士、富士宮西以来35年ぶりとなる。

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運命の発表を翌日に控え、日大三島のエースで4番の松永陽登(はると、2年)は素直な思いを口にした。「緊張というよりも、ワクワク感の方が強い。楽しみです」。グラウンドでは高ぶる感情を抑えるように、引き締まった表情で練習。選手たちはコロナ対策を講じながらノックや打撃練習など、いつも通りのメニューで汗を流した。

今年の全体練習が始まった今月3日。チーム全員で、三島市の中心に位置する三嶋大社を参拝した。松永は「春と夏、甲子園に出場できますように」。主将の加藤大登(ひろと)外野手(2年)も「甲子園で1勝できますように」と手を合わせ、祝報祈願を済ませた。

センバツ出場を当確させた昨年11月の東海大会優勝から約80日。ナインは聖地をイメージしながら、冬の鍛錬に励んだ。加藤主将は「部室で『甲子園でホームランを打ちたい』と話す選手もいたり、気持ちは高まっている」。松永も「甲子園という先がある中で、1人1人が集中して取り組めている」と、現状を明かした。センバツでは38年ぶり、選手権大会も含めれば1989年夏以来、33年ぶりの大舞台に向け、準備も着々と進む。後は吉報を待つだけだ。【前田和哉】