奄美大島の県立校、大島が、21世紀枠で出場した14年以来2度目のセンバツ出場を勝ち取った。沖縄本島を除いた島からの甲子園出場は大島を含めて8校、14度目。

プロ注目の最速146キロ左腕、大野稼頭央投手(2年)は「学校の帰り道に街中で『頑張ってね』と言われる。甲子園では勝って恩返しが出来るように」と表情を引き締めた。

大野は、昨秋の九州大会で引き分け再試合を含む3戦28イニングで467球の鉄腕ぶりを発揮。同大会の準優勝へ貢献した。身長175センチ、体重65キロと大柄ではないが「甲子園では150キロを出したい」と言い切った。島民からの激励は「力になります」。奄美大島は昨年7月に世界遺産にも登録された。「大会NO・1ピッチャー、日本一のピッチャーと言われるようにしたい」。豊かな自然に囲まれた離島の球児が、日本の頂点を目指す。【只松憲】

◆大島 1901年(明34)創立で奄美大島にある県立高校。普通科に709人(女子363人)が学ぶ。野球部は73年創部で部員37人(マネジャー5人)。甲子園は14年春に21世紀枠で初出場した1回で、優勝した龍谷大平安(京都)に1回戦敗退。主な卒業生は山口達也NHKアナウンサー。所在地は鹿児島県奄美市名瀬安勝町7の1。黒木哲二校長。

◆奄美大島 九州本土と沖縄本島のほぼ中間地点に位置する離島。島の多くが森で覆われ、透き通った海は「アマミブルー」「ブルーエンジェル」とも呼ばれる。世界中で奄美大島と徳之島にのみ生息しているといわれる「アマミノクロウサギ」など希少な動物も数多く生息し、21年7月には世界遺産にも登録された。人口は21年12月時点で4万2163人。