近江(滋賀)が延長の末にサヨナラ勝ちした。

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2-2の延長11回1死一、二塁から大橋大翔捕手(3年)が熱戦に終止符を打つサヨナラ3ランを左翼席に打ち込んだ。

山田陽翔投手(3年)が足を負傷しながら7安打2失点で完投した。滋賀県勢のセンバツ決勝進出は初めて。山田は足の状態について試合後に、「大丈夫。痛みはあるので、明日の決勝に備えてしっかり治したい」と話した。

山田の気迫に多賀章仁監督(62)は「デッドボールを受けてから彼の気迫のピッチングはずっとベンチで涙が止まらなくて。球数もいってましたしね。このまま投げさせてていいのかなと。僕が決断しないといけないという気持ちと、でも山田が気迫の投球をしてくれていた。すごいです。感動しました、本当に」と振り返った。

準々決勝まで3試合すべてに完投していた山田は、4回に4連打で2点を先制された。苦しい展開に最悪のアクシデントが追い打ちをかけた。5回の打席で左足首に死球を受け、もん絶。しばらく立ち上がれず、臨時代走が告げられると肩を借りてベンチに戻った。

それでもマウンドを降りなかった。足を引きずり、打席ではスイングもまともにできない状態だったが、声を張り上げながら熱投。延長に入っても速球は140キロを計測した。

近江は7回にスクイズで同点。山田は最後までマウンドを守った。サヨナラ弾を放った女房役に、ゆっくりベンチから出て満面の笑みで出迎え、「大橋なら絶対やってくれると思っていたので、打ってくれてすごいうれしかったです」とサヨナラの場面を振り返った。自身の投球については「変化球が低めに決まっていたことと、ストレートの投げ分けが出来ていたことで相手打者が的を絞りづらくさせていたことが良かったのかなと思います」と笑顔を見せた。

「滋賀で日本一になりたい」と地元の強豪に入学し、エース、4番、主将と文字通りの大黒柱としてチームをけん引してきた。

開幕前日に京都国際の代替として出場が決まった。3日後の1回戦・長崎日大戦を延長13回タイブレークの末に勝ちきり、2回戦は聖光学院(福島)に完勝。準々決勝では昨秋の近畿大会で敗れ、1度はセンバツへの道を阻まれた金光大阪にリベンジの勝利。滋賀県勢初のセンバツ4強入りを決めていた。