ノーシードで初戦を迎えた早実が、7回コールドで初戦を突破した。

14安打11得点と打線がつながった。主将で4番の寿田(すだ)悠毅外野手(3年)が、3打数3安打1打点2四球。初回に同点打を放ち「久しぶりの実戦で、(ナインが)かたくなるのは分かってました。(先制されて)すぐに同点に追いつこうと思って打席に入りました」と振り返った。

1点を追う1回2死一塁。あらかじめ深めに守っていた右翼の前へ、ライナー性の適時二塁打を放った。3回の第2打席では、無死から右中間へ2打席連続となる二塁打を放ち、チームを勢いづけた。

打撃は好調だが、調整過程は順調ではなかった。昨秋に右手の有鉤(ゆうこう)骨を骨折し、昨年11月から3月に入るまで、バットを振ることが出来なかった。「その期間を走り込みとウエートトレーニングに充てました。結果的にそれが良かったのかなと思います」と、ピンチをチャンスに変えた。

ナインはコロナ禍の影響で、1月と2月は全体練習がほとんど出来なかった。その中で挑む大会に、和泉実監督(60)は「選手たちが大変なのは分かってる。その中でも早稲田実業であるということを胸に、ちゃんとした野球をね、一生懸命してくれれば」と話した。