高校女子野球に旋風を起こす。8日、日本ウェルネス宮城(東松島市)の入学式が行われ、今春創部の女子硬式野球部に新入生10人が加わった。クラーク仙台に次ぐ県内2校目のチームを指揮するのは、仙台育英OBで仙台太白シニア監督などを歴任した鈴木洋一監督(66)。今日9日の初練習で本格的に始動し、チーム一丸で高みを目指していく。

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宮城で2校目の高校女子硬式野球部が誕生した。日本ウェルネス宮城は、20年開校。昨年度は1人だけ、水戸彩心(あみ、2年)が入部したが、人数不足で活動できず。昨年は男子野球部の手伝いをしていた。開校3年目の春に新入生10人が入部し、大きな1歩を踏み出した。鈴木監督は「ようやくスタートします」と満面の笑みを浮かべた。

経験を発展途上のチームに還元する。仙台育英(宮城)では3年夏に甲子園出場。卒業後は社会人野球・電電東北(NTT東北)でプレーし、塩釜中央シニア・コーチや仙台太白シニア監督などを歴任した。だが、女子の指導は初めて。「基本的な野球をしっかり教えて勝つ喜びを教えたい」と意気込んだ。

期待の1年生も決意を新たにした。大槻真愛(まな)は、中学女子軟式野球の「宮城デイジーズ」に在籍。昨年は「4番捕手」で全国8強に貢献した。高校の進学先はクラーク仙台とどちらにするか迷ったが、「1期生で歴史をつくりたいと思った。クラークを倒してみたい」と決心した。高校では「勉強も部活動も良い成績を残せるように、努力の3年間にしたい。(野球の目標は)日本一です」と力を込めた。

4月下旬からは練習試合を予定している。鈴木監督は「1年生ですが、全国大会の経験を積んで2、3年目で飛躍させたいという思いはあります。それなりに中学で結果を残した選手もいるので」と今夏の全国選手権出場を視野に入れる。挑戦は始まったばかり。1歩ずつ頂点への道のりを進んでいく。【相沢孔志】