今春センバツ8強の九州国際大付(福岡)が、7回コールドで貫禄を見せた。注目の2年生スラッガー佐倉侠史朗内野手は、4回に右翼席へ特大2ラン。高校通算13号で打線に火をつけ、12安打9得点の快勝。昨夏の佐賀王者、東明館を破った。九州大会初の継続試合は波佐見が日章学園を10-5で下した。

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4番佐倉が、低めのカーブをすくった。1-0の4回無死二塁。打球は右翼席中段にドスン。推定飛距離は120メートル。打った瞬間に確信の当たりで「ちょっと歩いてしまいました」。思わず余韻に浸ってしまう、高校通算13本塁打となる特大2ランだった。

従来は打席で重心を低く構えていたが「だいぶ変えました。今は重心を高くして、しっくりきています」。遊び感覚で試した打撃フォームがはまり、大会前の練習試合で3本塁打を記録した。「打球が上がるようになったなと感じました。力強いバッティングができるようになった」。体重も104キロから110キロまで増量。新打法と筋トレ効果で、12安打9得点の快勝を呼んだ。

主砲の爆発に、元プロの楠城徹監督(71)は「全然打ってなかったけど、久しぶりだね」とご満悦。5回無死二塁では右翼へ飛球を放ち、走者を三塁へ進めた。「みんな期待されるから大振りになってしまうけど、進塁打は良かったね」とチーム打撃に徹する姿にも目を細めた。

今春センバツでは8強まで進んだ。佐倉はチーム打撃に徹したこともあり、聖地でノーアーチ。「甲子園はピッチャーのレベルが全然違くて、長打が全然打てなかった。レベルが高いところでもしっかり長打が打てるように」と意気込む。花巻東(岩手)の佐々木麟太郎、広陵(広島)の真鍋慧、大阪桐蔭の前田悠伍と並ぶ注目の2年生がさらなる進化を目指す。【只松憲】