昨秋の秋田県覇者・能代松陽が快勝発進だ! 湯沢を8-0の7回コールド。「4番投手」の斎藤舜介(2年)が投打で奮闘した。5回を投げ4安打無失点の好投。丁寧にコースを突く投球を披露し、1四球と安定感抜群のマウンドだった。打っては4回に走者一掃の適時二塁打を含む2安打3打点で主軸の役割を全うした。春季東北大会(6月7日開幕、福島)出場、夏の県シード権獲得を目指し、一戦必勝で勝ち上がる。

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投打の主役は斎藤だった。公式戦初登板ながら5回4安打無失点。3者凡退は4回だけと、毎回のように走者を置くも、要所をきっちり締めた。130キロ台の直球に変化球を織り交ぜ、緩急を駆使。持ち味の打たせて取る投球でホームを踏ませなかった。「(公式戦初登板で)緊張はしましたけど、チームの勝利に貢献できて良かったです」

打撃でも存在感を発揮した。4-0の4回2死満塁。カウント1-0から外の真っすぐに反応。逆方向へ打ち返した打球は右翼手の頭上を越える走者一掃の適時二塁打。リードを7点差に広げた。「1球で仕留めるつもりで打席に入った。練習から右方向を意識していたので、その成果が出た」と納得の表情。2回には中前打で出塁。2四球も選び、全4打席で出塁と投打で大車輪の活躍だった。

一冬を越え、精神的な強さが加わった。昨秋は背番号5でメンバー入り。だが、出場機会はほとんどなかった。工藤明監督(46)は「(斎藤は)投手も野手もそつなくこなす選手ですが、ほとんど試合に出ていない中でプレッシャーのかかる場面で、投打ともに非常に良かった。精神的にすごく成長してくれたと思います」と目を細めた。

甲子園がかかる夏本番を見据え、実りの春にする。県上位2校に与えられる春の東北大会出場、夏の秋田県大会のシード権獲得を目指す。次戦は14日、金足農と秋田中央の勝者と対戦。斎藤は「1球1球に魂を込めて投げていく」とやる気をみなぎらせた。【佐藤究】