東北(宮城2位)がナイターで行われた青森山田(青森1位)との準決勝を3-1で制し、準優勝した18年以来4年ぶりに決勝進出を決めた。大雨の影響を受けて当初予定から約3時間遅れの午後5時52分に試合が始まり、ゲームセットは同8時28分。2番手で登板した伊藤千浩投手(3年)が5回2安打無失点、無四球、10奪三振と好投し、2点リードを守り切った。

エースが決勝進出に導いた。5回無死一塁からマウンドに上がった伊藤は、終始、危なげのない投球で最後は3者連続三振で締めた。9回2死走者なし、カウント2-2からの5球目。137キロ直球で空を切らせた。この日の三振は10を数え「どんどんストライクを入れて打たせて取る意識だった。10個取れたのはびっくりしました」。外角に自分のいい直球を投げるイメージだったといい、その結果が好投につながった。

東北ナインは当初の同3時開始に備えて同0時半頃に球場入り。雨の影響で試合開始は遅れたが、室内で体を動かすなど集中力を切らさず、決戦に備えた。高校野球では珍しいナイターでの試合となり「いつもと景色は違いましたが、キャッチャーミットだけを見て全力投球しよう」と普段通りを貫いた。

東北王者をかけて13日に戦う聖光学院は4年前の決勝で敗れており、東北にとってはリベンジの一戦だ。伊藤は「このまま乗りに乗って、全員で優勝できるように頑張りたいです」と力を込めた。【山田愛斗】