第104回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の南北海道・札幌地区の組み合わせが13日、決まった。昨秋全道4強の札幌国際情報は初戦で恵庭北と対戦する。1月にセンバツ21世紀枠落選、今春も地区初戦敗退と苦難が続いたが、主力もベンチ外の選手も厳しく指摘し合う雰囲気をつくり、雪辱への準備を進めてきた。ノーシードから3大会連続の南大会進出を果たし、初の甲子園出場につなげる。

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札幌国際情報が悔しさをバネにジャンプアップする。初戦の恵庭北戦は地区開幕3日目の28日。高根稜真主将(3年)は「春に負けたことで課題を見直すことができた。気持ちの弱さもあった。チームみんなで詰めてきたことを、しっかり試合で出していきたい」と意気込んだ。

今春は不完全な状態で大会に入ってしまった。コロナ禍で4月中旬まで部活は休止。再開後も学級閉鎖などが相次ぎ、地区予選前に主力がそろって戦えた実戦はほとんどなかった。高根は「不安を抱えながら、ぬるっと入ってしまった」。北広島との初戦は主力欠場も響き3-6で敗退。公式には2失策も「動揺から記録に残らないエラーや走塁ミスが続いた」と、攻守の乱れから自滅した。春の地区予選は当番校だったため敗戦後も試合運営を手伝い「他の学校が勝ち上がるのを見ていて悔しかった」と振り返った。

チームとして緩んだ空気を全員で締め直した。昨冬、21世紀枠候補に選ばれたことで高根は「甲子園を身近に感じたことで少し調子に乗っていたかもしれない」。春の敗退後は主力主導だった選手ミーティングに、てこ入れ。コロナ禍が続く中、誰が抜けても戦力を維持できるようベンチ外の選手にも積極的に意見を出すよう求めた。指摘するには裏付けや責任感が必要になる。全員が緊張感を共有することで意識を統一。エース三浦隼太郎(3年)は「主力とそれ以外の選手の温度差をなくし、厳しく言い合えるようになってきた」と手応えを口にした。

元日本ハム投手の有倉雅史監督(54)は「うちに個の力はない。秋にベスト4まで行けたのはたまたま。春のように焦って“自分が決める”というプレーが出ると勝てない。組織で勝負しないと」。総勢96人。全員の力をつなぎ、1戦必勝で夏に挑む。【永野高輔】