第104回全国高校野球選手権宮城大会(7月5日開幕、同27日決勝)の組み合わせ抽選会が24日、松島町で行われた。今夏は70校64チームが出場。第1シードの仙台育英は巻き返しの夏を迎える。昨夏は仙台商に敗れ、まさかの4回戦敗退。雪辱を胸に一戦必勝で勝ち上がっていく。春の東北大会準優勝の東北は、6年ぶりの覇権奪還に挑む。

   ◇   ◇   ◇

1回戦からビッグカードが実現した。抽選会も残り11チーム。「1番」仙台育英の横(2番)が、ようやく埋まった。引き当てたのは柴田・亀山天馬主将(3年)。昨春のセンバツ出場校同士が激突することになり仙台育英・佐藤悠斗主将(3年)は「初戦から力のあるチームと対戦することは良い流れで夏をスタートできると思う」と語った。

苦い記憶を歓喜に変える。昨夏は仙台商に4回戦で敗退。佐藤主将は泣き崩れる当時の3年生の姿をスタンドから目に焼きつけた。「夏の怖さを自分たちは知っている。あの負けを経験しているから優勝できたと言える夏の県大会にしたい」。2回戦では仙台商と激突する可能性もあり「ベスト16入りを懸けて戦うかもしれない。雪辱という意味でも、負けるわけにはいかない」と言葉に力を込めた。

昨秋は東北大会8強、今春の東北大会は初戦敗退。県内では2季連続で優勝したが、甲子園を見据える上では悔しい結果に終わった。佐藤主将は「守備のカバリングだったり、対戦投手の(情報)共有。細かいところを徹底して最大限の準備をしている」と、高い意識で練習に取り組んでいる。さらにチームのテーマには「守り勝つ」を掲げ、「自分たちの特徴は守備にあるので、こだわってやっていく」と意気込んだ。

3年生にとっては最後の夏となる。負けたら引退の一発勝負。「トーナメントなので、いかに崩れないで、安定したパフォーマンスが出せるか」と自らに言い聞かせるように語った。初戦から決勝までの6試合に全てをぶつけ、たった1枚の夢舞台切符を勝ち取る。【佐藤究】

<東北 初戦から粘り強く>

東北は初戦の相手が宮城農に決まり、柴田昌吾主将(3年)は「初戦から粘り強く戦いたい」と意気込んだ。今春は東北大会準優勝と躍進。「後半の集中力が課題だったけど、春の東北大会で克服することができた」と自信を胸に、6年ぶりとなる夏の甲子園出場をたぐり寄せる。

宮城広瀬・佐々木凱主将(3年、選手宣誓を務めることになり)「ちょっと緊張しています。選手のみなさんが良いスタートをきれるような宣誓にしたいなと思っています」