大分商は福田紘史内野手(3年)が高校通算23号ソロを放つなどして7得点。先発全員安打と切れ目ない打線で宇佐に襲いかかった。投げては先発の池田壮史朗投手(3年)が6回無失点と好投。投打がかみ合った大勝で3回戦に駒を進めた。

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快音とともに白球が右打席から勢いよく飛びだした。左翼ポール際に放たれた高い放物線は、飛距離十分。ポールの右か、左か-。三塁塁審は右腕を大きく回した。チームにとっても、打った福田自身にとっても大きな夏1号。何度も右の拳をあげながら、ダイヤモンドを1周した。

不動の4番がみせたのは3回先頭。2ストライクから高めの直球を豪快に振り抜いた。ややバットの先でとらえたかのように見えたが、打球は左翼席の最上段に突き刺さった。「少し泳いで(バットの)先だったが、打った瞬間に『いった』とは思った」。これが自身の第23号。「あと5本は打ちたい」と、最後の夏に量産を狙う。

昨夏は主に「3番一塁」として出場していたが、9打数0安打。チームも準々決勝で敗れ、13年以来16度目となる夏の甲子園出場を逃した。「(昨年は)いろいろと考えすぎてしまっていた。(結果が出ず)悔しかったが、悔しさをバネに1年間やってきた」。屈辱の無安打から1年。巨人岡本和のどっしりとしたフォームを参考に、牙を研いできた。「ほぼ毎日動画を見てきた」。この日のアーチも巨人の主砲をほうふつとさせる下半身だった。

チームは20年夏に開催された甲子園交流試合に出場。福田自身はスタンドから戦況を見つめていた。「先輩たちは声を出して、楽しそうにプレーしていた。自分も今年はあそこでやりたい」。プレーヤーとして土を踏むため、最後の夏に挑む。【前山慎治】

◆福田紘史(ふくだ・ひろし) 2004年(平16)8月8日、大分市生まれ。豊府小2年時に「豊府少年野球団」で野球を始める。南大分中所属時は「大分七瀬ボーイズ」でプレー。大分商では1年秋からベンチ入り。昨夏は「3番一塁」で3試合出場も9打数0安打。2年秋から4番を務める。高校通算本塁打は23本。打撃フォームは巨人岡本和を参考にする。181センチ、92キロ。

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