強肩主将の活躍で王者北海が好発進した。初回1死二塁のピンチで井尻捕手が三盗を阻止。3回無死一、二塁で二塁走者をけん制で刺すと、一塁走者の二盗も阻んだ。5回にも盗塁を刺し3補殺、けん制刺1。二塁送球1・8秒の肩を生かし「走るのは分かっていた。少しでも投手を助けたかった」と振り返った。

練習後は、元捕手で高校時代、巨人鍵谷とバッテリーを組んだ立島達直部長(32)のマンツーマン授業を受け続けている。先を予測した好守連発に「立島先生から“状況を最優先した配球を”と言われている。学んだことが実になってきた」と手応えを口にした。

昨夏甲子園は背番号15でベンチ入り。当時2年で夏の聖地を経験したのは井尻と小原海だけ。大会1週間前には宮下朝陽前主将(東洋大1年)が練習を訪れ「井尻と小原が背負いすぎている。もっと気楽に」とアドバイスを受けた。「先輩の言葉で楽になれた。昨夏果たせなかった甲子園1勝を果たすまで、負けられない」と強い口調で話した。

○…函館大柏稜は本塁が遠かった。7、9回を除き走者を出すも、三塁を踏むことができなかった。開会式の選手宣誓を務めた主将の小笠原は3回先頭で遊撃内野安打を放ち二盗も、けん制で刺され、生還できず。「相手が強かった。でも最後まで束になって戦うことはできた」。道高野連独自大会の2年前も南大会に出場したが「当時は無観客。歓声や拍手の中でプレーできて、本当に気持ち良かった」と涙をぬぐった。