堂々の2年連続でファイナル進出だ! 秋田南が昨夏決勝カードの再戦で雪辱し、春夏通じて初の甲子園へ王手をかけた。4-4の同点で迎えた4回に2番手で登板した背番号「10」、中山蓮翔投手(3年)が6回を3安打無失点の好救援。最速143キロ直球を軸に昨夏王者に借りを返した。決勝は明日21日、能代松陽との一戦。ノーシードからの快進撃がクライマックスを迎える。

秋田南の必勝リリーバー、中山が両手を突き上げた。9回2死一塁、スコアは6-4。1発を浴びれば、同点に追いつかれる場面で相手の4番を迎えた。「自信を持って投げよう」。思い切って右腕を振って外角へ投げたスライダーがバットの芯を外し、最後の打者を遊ゴロに仕留めた。「素直にうれしかった」。昨夏決勝で0-6と完敗を喫した相手に2年越しのリベンジを果たし、ナインと喜びを分かち合った。

チームを決勝に導く好救援だった。4-4で迎えた4回から2番手で登板。この日の最速139キロの直球を軸に、キレのある変化球が低めに決まる。6回以降は毎回走者を出すも、要所を締めて三塁を踏ませない。6回を散発3安打、2奪三振。バックの味方を信じ、打たせて取った。「投球に集中していた」。相手のブラスバンドの応援も気にはならない。打者との真剣勝負に集中した。「この夏は“投手陣”として臨んでいくぞ!」。夏本番を前に石川聡監督は投手陣にこう投げかけた。1人で投げ勝っていく絶対的なエースはいない。ベンチ入りした5投手が一丸となって、勝ち上がっていくことを確認した。中山は今大会全4試合に救援登板し、計18回2/3を投げ3失点。防御率1・45と抜群の安定感を見せる。「マウンドに上がった者がエースだと思っている」。

春夏通じて初の夢舞台へ、泣いても笑っても最後の船出を迎える。石川監督は「昨年は超えることができなかった。学校の歴史を塗り替えたい」と言葉に力を込めた。ノーシードからの快進撃で下克上Vを狙う。【佐藤究】