9回裏2死一、二塁のピンチを一飛でしのいだ瞬間、国学院栃木ナインがマウンドで歓喜した。

37年ぶり2度目の夏甲子園を決めたが、2年生エースの盛永智也投手は「悔しさが大きい。この反省点を生かして次までに修正したい」と満足してなかった。

先発し、5回2/3を12安打4失点と打ち込まれ、降板。一方、直前6回表の打席では、4-4と同点で迎えた無死一塁で「自分が点を取られてしまったので、絶対返す」と初球の直球を右越えの決勝適時打にした。柄目(つかのめ)直人監督(39)は「連投で打順を下げたが、本来なら4番を打ってもいい選手」と打撃でも信頼を置く存在だ。

前日23日の準決勝では劇的なサヨナラ勝利。盛永は延長10回160球を1人で投げ、11年の1回戦から夏の栃木65連勝(20年独自大会を含む)中だった作新学院の11連覇を阻んだ。

優勝まであと1死の9回2死一、二塁では「伝令に行かせてください」と直訴し、自らマウンドへ。完投できなかった悔しさで目を潤ませながら、「落ち着け、頼んだ」と鼓舞。仲間からは「お前のせいじゃない」と声をかけられた。「助けられてばっかりだった。今度は自分が助けるピッチングをしたい」と盛永。初出場ではつかめなかった甲子園1勝を誓った。【星夏穂】

◆国学院栃木 1960年(昭35)創設の私立校。野球部も同年創部。生徒数は1249人(女子505人)。部員数は81人。甲子園出場は夏2度目。春は4度。柄目監督はOBで00年センバツに選手として出場。主なOBは元ロッテ渡辺俊介、ラグビー日本代表の田村優ら。栃木市平井町608。青木一男校長。

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