最大10点差をはね返した。今夏甲子園出場の国学院栃木が、新チームとなって県大会初戦に挑み、延長13回タイブレークの末にサヨナラ勝ちを収めた。両チーム合計37安打、3時間26分の激戦を終えた柄目(つかのめ)直人監督(39)は試合後、「非常に苦しかったです」と振り返った。

初回、宇都宮商打線に5本の適時打を許すなど、7安打で7失点。2回にも3点を失い、10点のリードを許した。

それでも3回から3番手で「背番号1」の盛永智也投手(2年)が登板すると、潮目が変わった。その後13回までを2失点の投球に、打線も奮起。3番の主将・原野泰成内野手(2年)が2本の適時打を放つなど、8回までに12点を返し、同点に追いついた。

12-12と同点で迎えた延長13回タイブレーク。無死満塁で8番の椿秀太外野手(1年)がチーム20安打目となる中前適時打を放ち、終止符を打った。椿は「打席の途中、監督からの指示で指を2本分空けました。コンパクトにスイング出来て、結果につながりました」と笑顔で話した。「背番号17」ながら、この日は7打数5安打3打点と大当たりだった。

甲子園では昨夏王者の智弁和歌山を倒すなど躍進をみせた。この日のスタメンも、1番から6番まで甲子園メンバーが名を連ねた。その中で試合を決めたのは、アルプススタンドで応援していた椿だった。柄目監督は「今日は経験のある子に引っ張ってもらおうと打線を組みました。しかし、その通りにならないのが高校野球。また今日も勉強になりました」と額の汗をぬぐった。チーム目標である2季連続の甲子園出場へ、励みとなる初戦撃破だった。