今夏の甲子園8強の大阪桐蔭が5回コールドで完勝した。

1回に先頭の山田太成外野手(2年)が右前打で出て、二盗を決めた直後だ。2番の村本勇海内野手(2年)が右中間を破る適時三塁打で先制した。さらに満塁機で長沢元外野手(2年)が左前に2点適時打を放つなど一挙5点を奪った。その後も着実に加点。投手陣も3人の継投で無失点に抑え、盤石の戦いだった。

来年3月のセンバツ出場を目指す。西谷浩一監督(53)は「まだまだ新チームで力不足。先制を取れて少し優位に進められた」と話した。新主将に来秋ドラフト候補のエース前田悠伍投手(2年)を指名。「一番経験を積んでいる。一番、責任を感じてもらって、前田が先頭を切ってやるのが一番いい」と説明した。

8月、優勝候補筆頭として臨んだ夏の甲子園は準々決勝で下関国際(山口)に競り負けた。決勝打を浴びて涙に暮れたのが前田だった。前田は「最初は不安だった。キャプテンを、いままでやってきたことがなかった。自分の感情をぶつけるのではなく2年生を中心に巻き込んでいきたい。1戦1戦勝っていって、秋の日本一を達成できたらいい」と抱負を語った。

新チームを結成し、顔ぶれも変わった。両親がスリランカ人のラマル・ギービン・ラタナヤケ内野手(2年)は初戦の桜塚戦で公式戦本塁打デビュー。この日は5回に代打出場し、四球で歩いた。夏の悔しさを糧に、ナイン全員で覇権奪回を目指す。【酒井俊作】