福島大会では聖光学院が平工を6回コールド。高中一樹主将(2年)が4打数4安打の活躍でチームをけん引した。聖光学院は、秋季東北大会(10月10日開幕、山形)の切符を手にした。

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高中、高中、また高中だ。1、2回を打者一巡で終え、1番高中は3イニング連続で先頭打者として打席に立った。高中は「先頭打者として、絶対に塁に出る気持ちを持って練習してきました。結果は出来過ぎですが、今日も出塁できて良かった」と胸を張り、1番打者の役割を全うした。4回2死三塁で迎えた第4打席は、左中間に抜ける適時二塁打で追加点。打線の火付け役がチームの勢いを絶やさなかった。

6回には三好元気外野手(2年)が公式戦初登板。1死一、二塁の場面だったが、落ち着いて空振り三振と三ゴロに仕留めた。三好は「三ゴロを片山(孝=2年)がダイビングで取ってくれた、ホッとしたという気持ちが一番強かったです」と振り返った。

新チーム始動に伴い、投手不足に直面した。佐山未来(3年)のような絶対的エースが不在で斎藤智也監督(59)は「三好の力も借りないと秋はきついかなと思った」と、甲子園後すぐに投球練習を課した。「バッター三好がピッチャーに転向したという考え方もできるが、元々ピッチャーの才能がある三好が打者をやっていたという方がしっくりくる」。今後は「ピッチャー三好」が多く見られそうだ。

投打ともに発展途上の聖光ナイン。だが、目標は東北大会覇者が挑む「神宮大会出場」だ。今日26日の決勝で県連覇を果たし、その勢いに乗り、東北の頂点まで駆け上がる。【濱本神威】