来春センバツ切符を懸けた戦いが始まる。秋季東北大会(10日開幕、山形)の組み合わせ抽選会が30日、リモート形式で行われた。史上5校目の甲子園夏春連覇がかかる仙台育英(宮城2位)は青森山田(青森1位)と対戦。山田脩也主将(2年)は「一戦必勝」を強調した。同センバツは第95回記念大会のため、例年より1増の3校が東北地区の一般枠として選出される。

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強豪ひしめくブロックに、山田主将は静かに闘志を燃やした。「優勝を目指していく。一戦必勝で勝ち上がりながら強くなっていきたい」。初戦(2回戦)は秋の青森を制した青森山田との一戦。勝利すれば鶴岡東(山形2位)と優勝候補筆頭で大会連覇を狙う花巻東(岩手1位)との3回戦が待ち受ける。「とても良い高校ばかりで嫌な気持ちはない。うれしいですし、良い経験になる」と一筋縄ではいかない難敵ぞろいを歓迎した。

仕切り直して東北大会の舞台に乗り込む。秋の県大会では決勝で東北に競り負け、大会11連覇を逃した。敗戦当日と翌日は、選手間ミーティングを実施した。「自分たちの何が悪かったか?」。チームの欠点を洗い出し、1つの答えを導き出した。「選手1人1人が『自分が主将だ』と思いながら練習していかないと強くはならない」。自立性を求め、練習から「勝利へのこだわり」をより強く意識するよう心がけた。

来春センバツで史上5校目の夏春連覇がかかるが、そんな意識はない。「先を見据えないで、一戦必勝で戦っていきたい」と足元を見つめ、まずは2年ぶりの「東北王者」奪還を目指す。【佐藤究】