大阪桐蔭は夏の甲子園で苦杯をなめた下関国際(山口)とのリベンジマッチに挑む。先発は8月の対戦時に決勝打を浴びて涙を流した前田悠伍投手(2年)が務める。8日に秋季大阪大会準々決勝を控える中、異例の先発マウンドといえる。前田は9月末にも「下関国際に負けて、今までで一番悔しい思いをした。3年生と野球できないと思ったが、国体で最後、一緒にできる。何とか国体で優勝したい」と意気込んでいた。

両校は8月18日の夏の甲子園準々決勝で対戦した。大阪桐蔭が1回に2点先制。下関国際に追いつかれながら6回に1点勝ち越した。流れが変わったのは7回。無死一、二塁で打者は大前。2ボールからの3球目、西谷監督は送りバントではなくバントエンドランを選択した。だが、投手仲井への飛球となりアウト。飛び出していた走者は戻れずアウトになり、痛恨の三重殺を食らった。1点リードの9回は場内が下関国際を後押しする手拍子。異様なムードの中、前田が踏ん張れず、3安打を浴びて逆転され、敗れ去った。西谷監督は「うまく勝ちに結びつけられない監督の責任」と敗戦を背負っていた。

大阪桐蔭は前日2日、夏の甲子園優勝校の仙台育英(宮城)に勝利。今秋ドラフト候補で先発の川原嗣貴投手(3年)が9回1失点で完投した。同候補の松尾汐恩捕手(3年)も2安打1盗塁で、相手走者の盗塁を刺すなど、走攻守で躍動した。松尾は「この大会にかけている。一番強いのは大阪桐蔭だと世間に伝えないといけない」と気合。昨秋の明治神宮大会、センバツに続く「3冠」目を狙いにいく。