高知は背番号17の辻井翔大投手(2年)が投打に活躍。2年連続のセンバツ初戦突破に導いた。

高校入学後、初の公式戦先発マウンドは甲子園となった。「緊張もありながら自分のピッチングできなかった」と四死球でピンチを招くと、適時打を浴びて初回から先制を許した。

それでもすぐに自らのバットで取り返した。失点直後の2回。2死一、二塁から打席が回った。追い込まれながら甘く入った変化球を逃さず振り抜いた。打球は左翼手を越え、逆転の2点適時三塁打。「初球は手を出せなかったが、しっかり自分のスイングはできたので、飛んでくれと願いながら走っていた。追い込まれてもしっかり振れて良かった」。三塁ベース上ではベンチ、アルプスそれぞれに向かってガッツポーズ。甲子園での逆転打は記念すべき公式戦初安打で、「初ヒットが甲子園で打てたのは自分の財産。とても良かった」と笑顔が弾けた。

リードを奪ったことで、ピッチングにも余裕が生まれた。「2回以降はしっかり指にかけながら、強い真っすぐを投げ切れた。自分のいい感覚で投げられた」と追い上げを許さず。8回途中まで投げ、6安打5奪三振1失点と流れを渡さなかった。

甲子園初戦に公式戦初先発の辻井を選んだ理由を、浜口佳久監督(47)は「この冬場から非常に成長して、スタミナ、ボールの切れ、球速。いろいろなものがあがってきた。こういう大舞台の中で新2年生で緊張もあると思うが、一番いい投手をぶつけようと思いました」と説明。2年生右腕も期待に応えて、投打にチームを引っ張った。

2回戦の相手は履正社(大阪)。辻井は「強気のピッチングで押したい」と気合十分。まずは10年ぶりの甲子園3回戦進出を目指す。