7イニング制の紅白戦を2試合行った。2試合目の先発は注目の両左腕が務めた。

白組で先発したのは享栄(愛知)の東松(とうまつ)快征投手(3年)。甲子園出場経験はないが、最速152キロを誇り、今秋ドラフト上位候補と評価される逸材だ。1、2回をパーフェクトで抑え、最終3回に3安打で1点を失ったが、直球で3三振を奪った。ネット裏のスカウトのスピードガンではこの日投げた12投手で最も速い149キロも計測した。

「まだ100%の力ではないんですけど、力強い直球でスカウトの方や馬淵さんにアピールできたかなと思います。堀くんのキャッチングのおかげで気持ちよく投げられました」

紅組は大阪桐蔭・前田悠伍投手(3年)が先発した。3回で1安打1四球無失点と貫禄の内容。自己最速に並ぶ148キロを出し、チェンジアップなど緩急を使った投球術は際立った。

試合前のキャッチボールでは初めて両投手が組んだ。球筋を競い合うように1球1球、じっくりと投げ合った。東松は「自分はスピードに自信があるんですけど、前田くんは切れというか、2段くらい浮き上がってくるので、スピード以上の勢いとか、ストーンとくる感じがした。ライバルとしてもっと高め合っていきたいと思いました」と刺激を受けた。

1日を通じて会話を交わし、前田から変化球を投げる際の助言ももらったという。「初めて生で見て、風格だったり、余裕な感じだったり、学ぶところばかりだなと思いました」と充実感に浸った。

この日はNPB12球団、41人の関係者がネット裏から注目した。