横浜が椎木卿五(けいご)捕手(2年)の2打席連続本塁打を含む5本塁打で桐光学園を圧倒。7回コールドで4回戦進出を決めた。

3回に1点先制し、迎えた4回2死一塁から7番・椎木が中越え2ラン。5回には2死満塁から上田大誠外野手(2年)が左中間へ満塁本塁打を放つと、椎木もそれに続き、直球を振り抜き左翼芝生席へ。高校通算5本目のソロで、引き離した。

第1打席の反省を生かした。「腰が引けて三振だったので、引きつけるイメージで振った。自信になりました」と胸を張った。この冬はチームで打撃強化に取り組み、椎木も「上からのイメージでしっかりボールをたたくようになりました」と、その成果を春の舞台で発揮している。

ロッテなどで捕手として活躍した椎木匠氏を父に持つ。幼稚園年長から父の影響で野球を始め、小学校時代は全てのポジションを経験し京葉ボーイズでは父と同じ捕手に転向した。「父は家に帰ってきても、投手や打者のデータを見て研究していました」と、父の努力の背中は忘れない。「今の自分にそのことを教えてくれているんだと思いました」。この日の前日も夜11時過ぎまで動画で桐光学園打者をチェックし、頭にたたき込んだ。「相手チームを知る上で、今日の試合に生きました」。配球にも生かし、先発のエース・杉山遙希投手(3年)を好リードした。

2年分の借りを返した。一昨年の春の準決勝、昨年春の準々決勝と、いずれも桐光学園に敗戦した。村田浩明監督(36)は「やり返すチャンスだと思ってやってきた。選手たちの思いが伝わった。よくやってくれたと思います」と、選手たちをたたえた。椎木については「捕手としての成長が大きい。好リードが打撃にもつながったと思う」と評価した。

昨秋、秋季関東大会は8強で敗戦し、センバツ出場を逃した。その悔しさを糧に成長を続ける横浜。もう、負けるわけにはいかない。頂点を目指し走り続ける。【保坂淑子】