センバツ8強の仙台育英が、大崎中央に7-0で7回コールド勝ち。

初戦を突破して8強入りした。エース右腕・高橋煌稀(3年)が、5回2安打8奪三振無失点と好投。持ち味の制球力を駆使して相手打線を寄せつけず、チームの「コールド発進」に貢献した。2回戦から登場した東北、利府も8強入りを果たした。

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昨秋県大会決勝以来の公式戦の先発だったが、高橋は崩れなかった。1回は変化球が制球できず、1死で中前打を浴びたが、続く3、4番から奪三振。同裏、チームメートの3連打で2点の援護をもらうと、以降の4イニングはテンポよくストライクゾーンで勝負し、10球以内で攻守交代。出塁を許したのは3回の中前打のみの無四死球8奪三振の快投を見せたが、つけた点数は「70点」と控えめ。「初回の入りと変化球。キレや質がもうひとつ上がれば」と振り返った。

大舞台を経て迎えた春に、もうひとつレベルを上げる。センバツは8強で終わり、大会後に挙げた自身の課題は「体のキレ。足が遅いことや体の瞬発的な力が弱い」。練習ではウエートトレーニングや短い距離のダッシュを取り入れ、ストレートの強さや変化球の精度向上を実感。「低めのカットボールで空振りを取れたのは、成果が出ている感じはする」と手応えを口にした。

6回から救援登板した湯田統真投手(3年)は、2イニングで打者6人と対戦し6奪三振。2投手が守備からリズムを作り、快勝に結びつけた。大会4連覇が懸かる同校。準々決勝は25日、昨夏県4強の古川学園が相手だ。「自分の長所はコントロールと安定感の良さ。うまくコースを突いて、打たせて野手で(アウトを)取ることを心がけたい」と高橋。先発、中継ぎ、抑え。託された場面で自分のピッチングをする。【相沢孔志】

○…利府・曽我颯人投手(3年)が、先制打と4安打完封でコールド勝ちに導いた。0-0の2回1死満塁、2ボールから変化球にタイミングを合わせ、2点適時二塁打。「変化球を合わせる形になったが、外野まで持っていくことができて良かった」と白い歯を見せた。投げては3回から4イニングで走者を背負ったが、昨秋東北大会以降から注力したウエートトレーニングの成果が表れ、試合終盤も力強いボールで打者を封じた。今春の目標「東北大会出場」達成のため、全力で右腕を振る。

○…東北・佐藤響主将(3年)が5回1死二、三塁、先制の中犠飛で試合の均衡を破った。「内野前進だったので強いゴロを打てば抜ける。外野フライなら1点という状況で気持ちよく打席に入れた」と心を落ち着かせ、最低限の仕事をこなした。終盤2イニングで3得点し、2投手の完封リレーで逃げ切って準々決勝に駒を進めた。だが、佐藤洋監督(60)は「目に見えないミスがたくさんあった。ゲームとしては緊迫感のあったいい試合だったが、課題が多すぎる印象」と振り返った。