創部以来初の春の近畿大会決勝に進んだ金光大阪は智弁学園(奈良)の前に屈して、準優勝だった。

3試合連続完投中だったキャリー・パトリック・波也斗投手(3年)は登板せず。「投げたい気持ちはあったけど、今日はサポートに回った。(登板した)12人は経験がなかったので、声をかけようと思った」と伝令としてマウンドに向かう姿もあった。

9回には代打で登場。中飛に倒れたが、スタンドからはこの日一番の声援が注がれた。横井一裕監督(48)も「キャリーが打席に立った時のスタンドの空気が、キャリーに対するチームメートの評価」と周囲からの信頼もより一層厚みを増した。

大阪府予選の決勝でも大阪桐蔭を倒す立役者となり、春の近畿大会でも初の準優勝に導いた。それでも浮かれることはない。左腕は「本番は夏。夏になるともう一段階、体力や精神面が削られると思う。その中で、みんながどれだけ一丸で迎えられるか」と足元を見つめた。