智弁学園が金光大阪を10-0で下して、07年以来16年ぶり3度目の春の近畿王者に立った。

前エースで背番号6の中山優月投手(3年)が公式戦初完封。打線も17安打10得点とつながった。金光大阪は4安打に抑えられ、初出場の春の近畿大会は準優勝に終わった。

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かつてのエースが二刀流の活躍で、チームを近畿王者へ導いた。3番投手で先発した中山が被安打4、8奪三振、130球で公式戦初完封。4回には1死満塁のピンチを背負ったが、コースをつく投球で後続を断った。打っては2試合連続マルチ安打とバットでも貢献した。「他の投手のおかげで勝ち上がれて、投げさせてもらったので、チームに貢献したかった」。

兵庫・洲本市出身で、中学時代は現阪神の村上頌樹投手が所属したヤング淡路でプレー。16年センバツVの先輩右腕から、中2の冬に直接アドバイスを受けたことで入学を決意した。昨秋は憧れの先輩と同じ背番号1を背負った。しかし、3月中旬に右肘を痛め、今大会は藤田健人投手(3年)に背番号1を譲り、遊撃での出場となった。冬のトレーニングでともに汗を流した藤田の活躍に「エースのプライドはあったけど、藤田の頑張りを見ていたのでうれしかった。藤田がしんどいときは自分がカバーせないかんな」と絆が生まれ、この日の快投につながった。

「夏は背番号1で甲子園に出場したい」と力強く意気込む。2年ぶりの甲子園へ、右腕の復活は好材料だ。【村松万里子】

智弁学園が金光大阪破り16年ぶり3度目の優勝 17安打で10得点、中山優月が完封/詳細