夏の借りは夏で返す。静岡商の戸田純太内野手(3年)は、リベンジに燃えている。背番号「5」を背負って開幕を迎えた昨夏。1、2回戦の打撃不振で3回戦以降はスタメンを外れた。「(背番号)1桁をもらったにもかかわらず、何も貢献できなかった」。静清に0-3で敗れた準々決勝後、大粒の涙を流した。

悔しさを胸に挑んだ今季は、ここまで打率4割1分9厘と好調。二塁打24本に、三塁打8本と長打も光る。それでも「ずっと夏のためにとやってきた。現状で満足はできない」。主将に任命され、打順も9番から3番に。昨年とは立場も責任の重さも変わり、自らに厳しい言葉をぶつける。

春季大会以降も、さらなる打撃向上に努めた。全体練習後、30分~1時間の個人ノックを受けた後に100球。午前6時前からの朝練でも100球の打ち込みを行うなど、開幕まで約2週間となった本番に向け、感覚を研ぎ澄ませている。

春夏通算15度の甲子園出場を誇る同校も、06年夏を最後に聖地から遠ざかる。昨年からはグラウンドに「SEISHO PRIDE」の横断幕を掲げ、歴史の重みも感じながら泥にまみれてきた。戸田は「声や姿勢でチームを引っ張るのは当たり前。この夏は結果でも引っ張りたい」と決意を口にした。雪辱を誓う最後の夏。17年ぶりの大舞台を目指し、思い切り暴れる。【前田和哉】

◆戸田純太(とだ・じゅんた)2005年(平17)4月19日、静岡市生まれ。小1からソフトボールに励み、小3から服西フェニックスで野球を始める。中学時代は島田ボーイズ。右投げ右打ち。家族は両親と兄、姉。172センチ、70キロ。血液型B。