開幕した旭川地区では、旭川永嶺が旭川農を9-0の8回コールドで下し、6年ぶりの北北海道大会進出へ好発進した。2番手で登板の盛永空(3年)が1回無失点など、3年生右腕2人の無失点リレーで勝利をつかんだ。
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旭川永嶺の無失点継投が光った。8回から2番手で登板した背番号11の右腕盛永は、先頭打者から三振を奪うなど1回1安打無失点。昨秋に公式戦初登板し、夏は初のマウンドだった。「緊張したけど強気で投げようと思って挑んだ。無失点に抑えられたのはよかったし、これからの大きな自信につながる」。先発で7回無失点に抑えた右腕の山下哉人主将(3年)とともに勝利に貢献した。
盛永は苦労しながら野球を続けてきた。生後の検査で聴覚に障がいがあることが判明した。聴覚を補助するため一般的に補聴器をつける人もいるが、人工内耳と呼ばれる器具をつける手術を幼少期に受けた。拒絶反応などもあり、受けた手術は4回にもわたる。
2人の兄の影響を受け、年長のころから野球を始めた。小中学校時代は軟式でプレー。「内野の守備では耳が聞こえないので、うまく連係が取れなかった」と周りとのやりとりも大変だった。高校野球は不安もあったが「先生方や仲間がサポートしてくれたり、わからないことはしっかり教えてくれる」と今は自信をもってプレーできている。
この日は父徒之さん(53)と母みゆきさん(52)がスタンドで見守る前で、勇姿を披露した。父は息子の登板する姿を必死に動画に収め「無失点に抑えてくれてよかった」と胸をなで下ろした。チームメートの山下は「ハンディは抱えていると思うけど、チームを明るくしてくれる大切な存在」と信頼する。
同校は16年に旭川東栄と旭川凌雲が統合し設立された。91年に旭川東栄が北北海道大会準優勝した実績がある。6年ぶりの北大会出場(20年独自大会は除く)へ、次戦は旭川龍谷と対戦する、盛永は「出るとしたら強い気持ちを持って、堂々とした投球ができるようにしたい」と気持ちを高めていた。【山崎純一】

