大分大会は、昨夏4強の佐伯鶴城が11安打9得点の7回コールドで初戦突破を決めた。日本人の父とフィリピン人の母を持ち、西武古川雄大外野手(19)の弟拓海外野手(3年)が1番打者として3安打2打点1盗塁と大当たり。兄からの激励メッセージにも応える活躍だった。

プロの兄にも負けじと、弟拓海が打って、走っての大暴れだ。0-1の初回。先頭の古川拓は「先制点を与えたので、塁に出ることを考えた」と中前打で出塁。続く2番打者の3球目に二盗を決め、なお1死三塁から二ゴロ間に同点ホームを踏んだ。2回には2死一、三塁から変化球を仕留め、2点適時二塁打をマーク。この回打者13人の猛攻劇で一挙8得点と打線をけん引した。「チームに勢いを与えられるのが1番打者の醍醐味(だいごみ)。勢いを与えることができた」と胸を張った。

熱烈なエールに気持ちが高ぶった。試合当日の朝6時過ぎ。1通のライン通知が届いた。「集大成の夏になるんだから緊張せずに、思い切っていけ」。兄雄大からのメッセージだった。古川拓は「自分のために朝早くに起きてたのかな? 『思い切っていくわ』って返信しました」。言葉通り、積極的なプレーで3安打2打点と結果で応えた。

兄雄大は186センチ、90キロに対して、古川拓は174センチ、68キロと決して大きくはない。高校入学後、本塁打も打ったことがないという。「飛距離は兄にかなわない。自分は走塁にこだわっている」。象徴的だったのが3回だ。左前に打球を運び、50メートル走6秒の快足を飛ばし、一気に二塁へ陥れた。「先の塁を常に狙うプレーができた」と納得のシーンだった。

大分商で西武源田、広島森下ら、数多くのプロ野球選手を輩出してきた就任2年目の渡辺正雄監督(50)は「足は兄より速い。状態も上がってきて、迷いなく1番古川(拓)で今大会に臨めた」と目を細めた。

昨夏は背番号18でベンチ入り。兄とともに戦ったが、大分舞鶴との準決勝で9回に3点差をひっくり返されてサヨナラ負け。古川拓は「悔しい負け方をした兄の分まで、自分が甲子園に行きたい」。兄もつけた背番号8で臨む集大成の夏。甲子園出場で「兄貴超え」を目指す。【佐藤究】

◆古川拓海(ふるかわ・たくみ)2005年(平17)9月12日生まれ、大分県佐伯市出身。小3で野球を始め、昭和中では軟式野球部に所属。佐伯鶴城では1年秋に初ベンチ入り。174センチ、68キロ。右投げ右打ち。好きな有名人はお笑いタレントなかやまきんに君。