龍神旋風だ! 南部高龍神分校(和歌山)が3点差を逆転してシード校の箕島を撃破。10年ぶりの8強入りを決めた。
田辺市龍神村出身の山本晴投手(3年)が投打で活躍し、スタンドの大声援に応えた。180センチの長身から最速136キロの直球とスライダーを低めに集め、138球で4失点完投。7回に1点差に迫られたが「1点で抑えてやろう」と腕を振り、遊ゴロに抑えるとガッツポーズ! 1点を追う5回2死満塁の好機には右翼へ逆転打を放ち、バットでも貢献した。
龍神村は人口約2800人、高齢化率約45%の過疎地域。学校も全校生徒23人で存続の危機にあり、11人の野球部は3年生5人が引退すると合同チームでの出場となる。山本は「野球で村を盛り上げたい」と地元への恩返しを誓い、入学した。
スタンドには野球部を除いた全校生徒12人と学校関係者、保護者、龍神村の村民ら約100人が集結。70キロの道のりをバスで2時間かけて応援に駆けつけた。後援会長の鈴木直孝さん(76)は「うれしくてうれしくて涙が出る。龍神村の山々、川のせせらぎ、すべてが味方してくれると思う。県外から来る子も多いけど、みんな龍神村の孫やから」と熱い声援を送った。
山本は「村の人がたくさん来てくれて、いつも以上に力が出た」と笑顔。主砲の上村凌賀内野手(3年)とは小学校からのチームメートで「焦ってる時も本当にわかってくれて、声をかけてくれる」と、龍神村の幼なじみコンビでピンチをしのいだ。山本は「(まずは)ベスト4が目標」とキッパリ。龍神村の「守り神」が快進撃を続ける。【村松万里子】

