10年ぶり8強の南部高龍神分校は和歌山北に敗れ、初の4強入りはかなわなかった。初回、3番上村凌賀内野手(3年)の左越え適時二塁打で先制。だが、2点リードの6回、ここまで2試合完投の山本晴投手(3年)が7安打を浴び11失点。終盤に2点を返すも、反撃は及ばなかった。

スタンドには人口2800人の田辺市龍神村から約300人が集結。その中には前日22日の練習で打撃投手を務めた野球部OBの小川隼勢さん(23)の姿もあった。選手10人中、左投手はおらず、相手左腕に対応するため林達也監督(35)が小川さんら3人に連絡。約150球を投げ、この日は筋肉痛の腕を目いっぱいあげて応援した。後輩の14安打7得点の活躍に「投げた成果はあったかな」と喜んだ。

主将の上村は「打てたけどエラーが出てしまった。相手はエラー0。そこの差」と悔やむ。だが、快進撃で村民から声をかけられることも増え「本当に力になった」と感謝した。【村松万里子】

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