大阪桐蔭が8回に追いつき、延長10回タイブレークでサヨナラ勝ちを収めた。

長沢元外野手(3年)がチームを救った。6月に腕を負傷し、今大会ここまで出番がなかったが、最初の打席は、1点を追う8回2死三塁の重大なシーンで巡ってきた。

「8回がラストチャンスと思っていた。しんどい場面で出すからと大会前から言われていたので準備はしていました。1打席の集中力には自信があります」

もともと主軸も打っていた打力の持ち主。曲がりが甘くなる浮いたスライダーをたたくプランを描き、その通りに左翼線を鋭く抜いてみせた。

春から不動の4番に座るラマル・ギービン・ラタナヤケ内野手(2年)に代わる代打だった。球場内もどよめきが起こるほど思い切ったベンチワーク。西谷浩一監督(53)は「長沢はケガで出遅れていたけど、勝負強さがある。打撃の調子もよかったのでいかせました。(ラマルは)代えたくなかったのが本音。ここまで育ててきましたし、ああいう場面で代えられて悔しいと思うけど、確率論で長沢にしました」と起用の事情を明かした。

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