第105回全国高校野球選手権(甲子園)の北北海道代表クラークが13日、2回戦で花巻東(岩手)と対戦する。12日、兵庫・伊丹市内で約2時間の練習を行った。エース右腕の新岡歩輝主将(3年)は紅白戦に登板するなど最終調整。高校通算140本塁打のプロ注目スラッガー、佐々木麟太郎内野手(3年)との勝負に挑む。

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麟太郎、真っ向勝負だ。注目スラッガーとの対戦を前に、クラークの主将でエースの新岡はいつもと変わらず落ち着いていた。「絶対抑えたい。打たれても長打じゃなければいい。そのくらいの思いで投げたいと思う」。この日、紅白戦に登板し最終調整した。

投球プランは「いつも通りですね。こういう感じで抑えようというのはまだ決めていない。その場その場で(打者を)見て、麻原(草太捕手)の要求通りに。麻原を信じて投げたい」。横手を軸に、打者の反応を見ながら下手、上手など腕の角度を変える。スライダーやシンカーにナックルなど、変化球を使いながら、あらゆる手段を使って抑えるつもりだ。

故郷青森で過ごしていた小中学校時代に佐々木麟と対戦経験がある。中学時代にプレーしていた弘前白神シニアで、佐々木麟が所属する岩手・金ケ崎シニアと戦った時のことをうっすら覚えている。「四球の記憶があるんですよね。本塁打はないですね」と、打たれた記憶はない。

1回戦の前橋商戦で勝利後、佐々木啓司監督(67)は佐々木麟対策として「申告(故意四球)もあるかもしれないね。満塁でもね」と話していた。この日、練習後に報道陣から再度問われ「(申告故意四球は)あると思うよ。いろいろ対策については広い視野を持っていかないとダメかなと思う」と真剣な表情で話した。新岡主将は「不安はない。毎回試合になると自分の投球をできるという自信がある。楽しみですね」。完投勝利の1回戦に続き、全力で腕を振る。【山崎純一】

 

○…クラーク・佐々木監督の駒大岩見沢時代も含めた3元号勝利達成を記念し、チームはオリジナルTシャツを作成した。8日にクラークの甲子園初勝利後、業者に発注。届いたTシャツがこの日、選手やスタッフらに配られた。早速着用した監督と選手たちが記念撮影。新岡主将は「記念に残る。もらえてうれしい」と笑顔だった。

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