高校ジャパンの前田悠伍投手(3年=大阪桐蔭)が、フル代表との「ダブル世界一」へ意欲を燃やした。

U18W杯で初優勝した日本代表が11日、羽田空港に帰国した。決勝では地元・台湾に2-1で逆転勝利。完投勝利で胴上げ投手になった前田は「プロでもう1度、日の丸を背負って戦うことが目標」と、侍ジャパンでの世界制覇にも目を向けた。

日本にとって悲願だった世界一。高校代表で臨んだ04年以降、出場8大会目でようやくつかんだ栄冠だった。前田は米国、韓国、台湾の「3強」相手の3試合に先発し3勝、防御率0・42と圧倒的な働きを見せた。記者会見では「優勝に導くために投げた。素直にうれしい」と笑顔だった。

1年時からドラフト候補として注目を浴び、プロ志望届提出の明言こそ避けたが「将来的にはプロの舞台で活躍したい」と話した。今大会でさらに株を上げたこともあり、上位指名は確実な情勢。理想の投手像に「スピードよりも、キレとコントロールで勝負する投手になりたい」と、プロでの青写真を描く。パワーヒッターをはじめ、多くの外国人選手を相手に腕を振った。「この経験を生かすのは自分次第。これからもっといい打者と対戦する機会が増える。負けないよう日々の練習から高い意識でやっていきたい」と世界一の自信を胸に、新たなステージを見据えた。【保坂淑子】