甲子園夏優勝の慶応が準々決勝で敗戦し、センバツ出場が絶望的となった。

森林貴彦監督(50)は「桐光学園さん、毎年強いチームなんですけれども、今年もそれはよくわかっていて、やっぱり強いなと思って。桐光さんの野球が素晴らしくて、うちがそこに力が及ばなかったということだと思います」と話した。

先発のエース小宅雅己投手(2年)は、6回まで三塁を踏ませることなく落ち着いた投球を見せた。だが、0-0で迎えた7回1死満塁のピンチで三遊間を抜ける先制打、さらに右前安打を浴び小宅はマウンドを降り右翼へ。代わった2番手の鈴木佳門投手(2年)も1死満塁から左犠飛でこの回3失点を献上した。夏の決勝仙台育英戦でも登板した小宅、鈴木のコンビがつかまった。

9回の守備でも1死満塁から小宅が再び登板したが、左前適時打を浴びて、4点目を食らった。小宅は「体もきつい部分もあって、気持ちの部分もなんて言うか、上がらないとは言わないけど、甲子園のがちょっとまだ残っちゃっているというか。そういうのが今日のピッチングにもつながっているのかなと思います」と振り返った。

打線は桐光学園先発の法橋瑛良(あきら)投手(2年)の前に3安打に封じられて沈黙し、完封負けを喫した。主将の加藤右悟捕手(2年)は今大会全試合で安打を放っていたが、この日は無安打。試合後はあふれる涙が止まらなかった。「1本も打てなくて小宅のことも引っ張れなくて。去年から出てるメンバーが少ない分引っ張らなきゃいけなかったんですけど自分の力が足りなかったです」。最後に「ここで絶対に終わらないので。絶対負けないチームになりたいです」と涙ながらに言葉を絞り出した。

107年ぶり夏の日本一から心機一転、3季連続甲子園出場を目指して再始動したが、夏の県大会8強の桐光学園を前に敗れた。夏春連覇の夢が散った。