京都外大西(京都1位)が大きな山を越えた。履正社(大阪2位)の好投手・高木大希(2年)を打ち崩して4強入り。06年以来、18年ぶりのセンバツ出場を濃厚にした。

一振りで流れをつかんだ。初回2死一塁。相馬悠人内野手(2年)は「直球が来たら絶対打ったろう」と決めていた。初球は甘いコースの直球。4番打者は迷いなくスイングし、左越え三塁打で先制した。

高木と中学時代に同じチームだった部員から「直球に絶対の自信を持っている」と聞き、共有。打線全体で、最速147キロ右腕の直球に狙いを定めた。速球対策を行ってきた上羽功晃監督(53)は「相馬の1本がチームを勇気づけてくれました。やってきたことができたことが大きかった」とポイントに挙げた。

続く2回は4安打を集めて一気呵成(かせい)の4得点。先頭が死球で出塁すると、すかさず二盗成功。相手の動揺を誘い、ビッグイニングにつなげた。甲子園常連の強豪を大技、小技で翻弄(ほんろう)した。

上羽監督は「こんなに打てるチームじゃない。とにかく動こうと思っていた。履正社さんもそういう(機動力を使う)チームで、僕らもそう。先にうちの野球をできたのが大きかった」と、してやったりだった。

「打てないチーム」が履正社に打ち勝って大舞台への切符を引き寄せた。昨年のドラフト2位でヤクルトに指名された西村瑠伊斗内野手(19)でも届かなかった甲子園。相馬は「西村さんを超えることを全員で目標にしてきました。メンバーだけでつかんだ勝利じゃない。みんなに感謝です」と胸を張った。

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