第93回全国高校野球選手権で優勝を果たした東京・町田市の日大三高の生徒や学校関係者は校内の視聴覚室で声援を送った。20日午前9時半。56インチの大型テレビの前で、生徒ら約150人は、青色メガホンを片手に試合を静かに見守った。得点が入ると教室内から「オッシャー」「キャー」などと歓声が上った。

 4点リードの7回裏、7番鈴木貴弘捕手(3年)の2ランなど一挙5点を奪うと、教室内からは選手の応援歌の大合唱が始まり、この日一番の盛り上がりを見せた。10年ぶりの優勝が決まった瞬間には、隣の生徒と抱きついたり、選手とともに校歌を歌うと涙を流す生徒もいた。

 今年4月に吹奏楽部を引退した小磯菜津美さん(3年=17)は「勇気をもらいました。『お疲れさまとありがとう』と伝えたい。私もアルプススタンドで演奏したかった」と話し、赤くぬれた目をハンカチで拭いた。同校では、明日21日午後5時から、近隣住民も参加しての優勝報告会が行われる予定。