<高校軟式野球・秋季東北大会:秋田商2-0一関一>◇最終目◇20日◇青森市営野球場◇決勝

 秋田商(秋田)が一関一(岩手)を2-0で破り、2年ぶり2度目の優勝を果たした。先発の袴田貴哉(2年)が5回を無安打、救援の宮本宗一郎(2年)が4回を1安打に抑え完封。9回表に工藤快捕手(2年)の二塁打で2点目を挙げ、逃げ切った。昨秋と今春の東北大会、今夏の北東北大会といずれも決勝で敗退したが、ついにVを勝ち取った。

 最後の打者を三振に切って取り、宮本が雄たけびを上げた。笑顔でナインが駆け寄った。一関一ナインと握手を交わし、健闘をたたえ合った。春の東北大会決勝で敗れた一関一に雪辱。ついに決勝の壁を越えた。

 準決勝に続いて、左腕袴田が5回、右腕宮本が4回の必勝リレー。袴田は四死球3個とエラーの走者2人を出したが、ナチュラル気味のシュートの制球がよく、無安打に抑えた。「決勝で緊張したが、練習通りの投球ができた」とにっこり。レフトに回った後、9回には右越え三塁打を放ち、2点目の口火となった。

 宮本も1安打に抑えた。佐川宏監督(37)は「2人とも旧チームから投げている経験を今日生かした」と目を細めた。工藤捕手も大車輪の活躍だ。2回に二盗を2度阻止。3回には無死一、二塁のピンチで、捕邪飛を好捕、二塁走者を刺し併殺に仕留めた。9回には左越え二塁打でダメ押し。「もう1点欲しい。思い切り振った」と話した。

 学校の軟式グラウンドは右翼の部分がない長方形で練習に苦労するが、硬式部が好意的にグラウンドを貸してくれる。選手の父母たちもバックアップ。それを背に受けて、優勝旗を奪回した。佐川監督は「練習が結果に結びつき、今日の達成感がまた練習する気持ちにつながる。いい優勝です」と話した。工藤は「来年は絶対、全国選手権出場です」と声を弾ませた。【北村宏平】