<全国高校野球選手権:明徳義塾4-1倉敷商>◇21日◇準々決勝

 明徳義塾(高知)は倉敷商(岡山)を破って優勝した02年以来10年ぶりの準決勝進出。馬淵史郎監督(56)は歴代5位タイの甲子園通算40勝目を挙げた。

 ピンチのたびに馬淵監督は相手の応援団を見て勇気づけられていた。「今日のラッキーカラーはピンク。どこかにないかと探していたら、倉敷商のブラスバンドのタオルがピンクだった」。毎日欠かさない携帯電話の占いサイト。この日、誕生日星座のいて座の幸運カラーが偶然にも敵の応援団にあった。甲子園で四国最多40勝を積み上げた指揮官に聖地は味方した。

 7月7日に練習試合で対戦していた倉敷商の西のシンカーに苦しんだ。この日も3回まで5三振。序盤は「エレベーター」と馬淵監督が称した魔球に苦戦したが「右打者の方が打っている」と過去の対戦データで変更した打順が奏功。6番から5番に上げた宋の同点弾から流れが変わり、後半小刻みに得点して難敵を下した。

 今日の準決勝で対戦する大阪桐蔭の攻略法も既にイメージしている。6月の練習試合で4-1と勝利したが、相手エース藤浪を「真っすぐがシュート回転しなくなり、よくなっている」と分析。ただ「クセは分かっている」と付け加えるのも忘れなかった。「(甲子園には)2試合続けて好投できないジンクスがある」などと策士らしい揺さぶり?

 もかけた。

 自ら決勝打を放ち、1失点完投のエース福も言葉に力を込めた。「大阪桐蔭を倒して、決勝にいきたい」。ベテラン監督に率いられ、夏の主役を奪う準備はできている。【西尾雅治】

 ◆監督通算勝利

 明徳義塾・馬淵監督が甲子園通算40勝(春16勝、夏24勝)。歴代5位の木内監督(取手二-常総学院)に並んだ。