今夏甲子園ベスト4の花巻東(岩手)千葉翔太外野手(3年)が、東都2部・日大野球部のスポーツ推薦入試に合格(生産工学部)した。身長156センチの千葉は「たぶん(大学野球の選手で)一番小さいと…。3、4年でベストナインに入るのが目標です」と進学後の大きな夢を明かした。

 巧みなバットコントロールの2番打者として甲子園で脚光を浴びた。3回戦の済美(愛媛)戦では「内野5人シフト」をものともせずに5打数3安打と本格派右腕・安楽を攻略。鳴門(徳島)との準々決勝ではカット打法で粘りに粘って5打席すべて出塁するなど相手投手に41球も投げさせた。審判部からその打法を「スリーバント失敗と見なす」と通達されて臨んだ延岡学園(宮崎)との準決勝は無安打に終わり、チームも敗退して号泣。それでも「甲子園はいい思い出のほうが大きいです」と笑顔で振り返った。

 9月末の東京国体後に引退してからは木製バットで1、2年生と練習している。「持ち味は出していきたい」と高校でのスタイルを大事にしつつ、大学では「パワーをつけたい」。中学、高校では公式戦、練習試合を通じて本塁打ゼロ。「理想は長打も打てる選手」と1発のパワーをつけるために筋力トレに励むという。「社会人にも行けたらいいと思ってます」。大学野球で新たな挑戦をスタートさせる。【高場泉穂】

 ◆千葉翔太(ちば・しょうた)1995年(平7)7月2日、岩手県奥州市生まれ。小4から「水沢リトル」で野球を始め、小6で投手兼外野手として全国大会出場。南都中では「水沢シニア」に所属。花巻東では2年秋からベンチ入りし、2番中堅でレギュラー。左投げ左打ち。156センチ、56キロ。家族は両親、弟、妹。

 ◆日大野球部

 1923年(大12)創部。12年春に8度目の2部降格。今年は春4位、秋2位。1部で22度の優勝を誇る。71年には明治神宮大会で初出場初優勝。現在は仲村恒一監督。主なOBに村田修一、長野久義(巨人)ら。