第96回全国高校野球選手権岩手大会(7月11日開幕)の組み合わせ抽選会が25日、盛岡市内で行われた。水沢農の菅原強(つよし)主将(3年)が、優勝候補の盛岡大付との初戦を引き当てた上、選手宣誓にも選ばれるという、名前通りの引きの“強さ”を見せた。

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 男」が現れた。仲間に「初戦は(第1シード)花巻東以外ならいいよ」と送り出された水沢農・菅原が引いた70番の相手は盛岡大付。プロ注目右腕松本裕樹(3年)擁する強敵だ。菅原は「やってしまった、と思いました。どう報告すれば…」と苦笑いだった。

 これだけでは終わらない。抽選後に行われた選手宣誓のくじで呼ばれた番号は70番。「びっくりしました」と、ぼうぜんと立ち上がった。人前で話すのは得意ではないと話しつつも「他のチームがはつらつと、いいプレーが出来るような宣誓をしたい」と意気込んだ。

 水沢農は00年以降、夏の大会で1度も勝っていない。対して盛岡大付はこの14年間で5度優勝。いきなり厳しい戦いが予想されるが、菅原は「先に自分たちの勢いに持っていきたい」と強気だ。21世紀初の夏1勝へ。この日の強い引きも味方につけ、格上相手に奇跡を起こす。【高場泉穂】