<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇6日◇フェスティバルホール

 夏44年ぶりの日本一を目指す東海大相模(神奈川)が、難敵に“4本の矢”で立ち向かう。第96回全国高校野球選手権大会(9日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が6日、大阪市内で行われた。優勝候補の東海大相模は、第6日第3試合で大会NO・1投手の呼び声高い「大谷2世」、最速150キロ右腕の松本裕樹投手(3年)擁する盛岡大付(岩手)と対戦する。神奈川大会決勝で大会タイの20三振を奪った吉田凌投手(2年)を中心に、140キロ超投手4人で、初戦から全力投球を決める。

 東海大相模・平山快主将(3年)が右手で引いたくじを読み上げると、49代表の球児がどよめいた。校名カードは、150キロ右腕の松本を擁する盛岡大付の左隣に収まった。系列3校との「東海大対決」を免れ、関係者がほっとしたのもつかの間、初戦で“大谷2世”との対決が待ち受けていた。

 岩手の怪物に、相模は“4本の矢”で挑む。松本と並んで知名度を急上昇させているのが、神奈川の“ドクターK”こと吉田だ。7月30日の県大会決勝で、向上相手に大会タイ記録となる20三振を奪い、一躍ヒーローになった。武器は149キロの直球と楽天松井裕を手本にした縦のスライダーだ。松本については「すごい二刀流」と印象を語る一方で、「全国制覇するには厳しい相手と当たるのは当然です」と負ける気はない。地元・兵庫に凱旋(がいせん)し闘志も高まる。「気候とか周りの風景も懐かしいし、やりやすい環境です。大阪のたこ焼きはやっぱり東京とは違いますしね。地元の友達に『いい相手と当たった』と連絡しておきます」と、“ご当地パワー”を味方につける。

 他の3投手もみな、最速140キロ超えというタレントぞろい。エース右腕の青島凌也(3年)、ドラフト候補の190センチ右腕・佐藤雄偉知(3年)、快速左腕の小笠原慎之介(2年)が名を連ねる。吉田は「4人の能力や頭脳を結集して、試合にベストを持って行きたいです」と、自信をのぞかせた。

 公式戦、練習試合を通じて盛岡大付は対戦がないだけに、門馬敬治監督(44)は記者や相手監督に逆質問。早速、情報収集を開始し“戦闘態勢”に入った。「向かっていかなければ倒せない相手。まさに、アグレッシブに向かっていきますよ」。チームが掲げる指標「アグレッシブ・ベースボール」を念頭に、体当たりし、必ず勝利をもぎとってみせる。【和田美保】