<全国高校野球選手権:日本文理3-2東邦>◇18日◇2回戦

 東邦(愛知)の「バンビ2世」藤嶋健人(1年)の初めての夏が終わった。力強いストレートで5回まで得点を与えなかったが、6回に連打を許すと3失点で降板。森田泰弘監督(55)は「よく成長してくれた。100点だと思います」と力投をたたえた。

 「ストレートを打たれたのは力不足。今回の甲子園に悔いはないです。でも先輩たちともっと一緒にやりたかった」。藤嶋は目を赤くした。自分の力は出し切ったが、3年生との最後の試合になったことが唯一の悔いだった。

 藤嶋の後ろにはいつも頼れるエース大井友登(3年)がいた。「お前は精いっぱい自分の行けるところまで行け。俺が後ろにいるから」。登板前にいつも声を掛けてくれた。甲子園入りしてからもホテルの部屋で体調管理の仕方など、多くの話をしてくれた。

 この日は6回途中から大井の投球をベンチで見守った。堂々と打者を打ちとる姿に「『自分がチームのエースだぞ』という気持ちが伝わってきた。大井さんの姿を忘れません」。

 先輩の大きな背中を追って、今度は自分が頼れるエースになると心に決めた。「東邦高校を引っ張っていけるように頑張ります」。りりしく成長して再び甲子園へ戻ってくるつもりだ。【磯綾乃】