<センバツ高校野球:興南10-0大垣日大>◇2日◇準決勝

 東邦(愛知)時代の89年以来自身21年ぶりの春の優勝を目指した大垣日大(岐阜)の阪口慶三監督(65)は4強で甲子園を去った。

 神宮大会に続く「秋春連覇」を狙った大垣日大が、公式戦22試合目で初めて負けた。0-10の大敗。頼みのエース葛西侑也(2年)が2回0/3を6失点降板。打線も7回で交代した興南・島袋の前に二塁さえ踏ませてもらえず、2投手のリレーで完封された。「95%負ける」と公言しつつ、足を絡めて「金星」を狙っていた阪口監督は「何ひとつできなかった。これだけ差が開いたらサバサバしている」。葛西も「力不足だから、がっかりはしていない」と言った。

 前任の東邦時代、あまりの厳しさから「鬼」と呼ばれた指揮官も65歳。今大会では左手の痛みから、監督通算27度目の甲子園で初めて試合前ノックを打たなかった。それでも伸び伸びとプレーさせ4強へと導いた。監督生活44年目を迎えた名将は、執念を燃やす悲願の夏Vに向け「もっと力強いスイングになるよう精進する」と大敗から出直す。【八反誠】