高校野球静岡大会が5日、草薙球場で開幕。藤枝東の女子部員・渡辺光里(2年)が始球式で“デビュー”した。前夜から「緊張でがちがちだった」が、グラウンドに飛び出すと笑いが止まらなかった。「うれしかった。ど真ん中に直球を投げることだけ考えていた」。たった1球の夏。懸けていた。その分、ちょっと力んだ。渾身(こんしん)の投球はワンバウンドしたが「気持ちよかった。でもちょっと悔しい」と笑った。満員の球場で大きな歓声の中央でひときわ、輝いた。「最近、女子の野球部員が増えたと聞いているが、高校に入るとソフトボールに転向する選手が多い。ずっと野球を続けてほしい」。渡辺の投じた1球から、熱い夏の戦いが始まった。