8月2日に開幕する甲子園の北北海道代表・駒大岩見沢の初戦の相手が、初出場の下関工(山口)に決定した。25日、チームは南北海道代表の北海とともに道庁を表敬訪問。その直後に、この日、山口県大会を勝ち上がった下関工が、組み合わせ抽選で駒大岩見沢と対戦する大会初日(8月2日)第1試合を引き当てた。過去、春夏11回の甲子園で山口県勢との対戦はなし。相手も決まり士気上がるヒグマナインは、センバツに続く開幕試合を今度こそ飾る。

 例年にない慌ただしい日程に、駒岩ナインも目を白黒させるしかなかった。優勝を決めた翌25日に、岩見沢市役所と道庁を表敬訪問した。おまけに初戦の対戦相手もこの日のうちに決定。ナインが下関工のことを知ったのは、道庁から岩見沢に向かう移動バスの中だった。

 何しろ初出場の相手。高橋真次監督(34)は「相手の情報がないのでコメントのしようがないが、西日本には強豪と呼ばれるチームが多い。夏は勝って上がってきたチームなので注意したい。大至急、情報収集をしたい」と、さっそくデータ集めに動く構えだ。

 と同時に「うちは投手が右左の2人いて、打線も計算できる。甲子園では体調管理だけが課題。昨年(1-7帝京)は体調管理が十分でなかった」と戦力的には自信をのぞかせた。センバツでは4強、8強の実績もある半面、夏はまだ1勝もしていない。「今度はぜひ1勝したい」と勝利への強い意欲を語った。

 相手決定でナインの士気も上がる。松本駿主将(3年)は「早く決まって良かった。どことやっても、自分たちの野球ができればまず1勝できると思う」と声を弾ませた。やはり開幕試合だった今春センバツは成章に2-3で敗れ、最も早く甲子園を去る結果となったが「強い精神力、勝ちにこだわる気持ちが春とは違う」と言い切った。

 甲子園のメンバーが決定するのは26日。春は実質的に左腕の板木勇幸(3年)頼りの投手陣だった。だが、今は右腕の沼館義治(同)がエースに成長し、2本柱を構成。板木も「夏は沼館と2人で戦っていける」と、1人で責任を背負い込むこともない。初戦を突破しさえすれば、上位進出も期待できそうだ。