<高校野球群馬大会>◇28日◇決勝

 東農大二の「綾(りょう)クン」が15年ぶり5度目の甲子園出場を決めた。エース左腕・加藤綾投手(3年)が6安打10奪三振で樹徳を2-0完封。6試合計55イニングを1人で投げ抜いた。「頭が真っ白になった。涙が出そうでした」と最後までマウンドを守った。

 自己最速は135キロだが、新球チェンジアップを有効に使った。今春の関東大会は2回戦で1-4と横浜に敗退。「ハマのゴジラ」筒香には直球、スライダーで2安打を浴びた。「逆に変化するボールがないと夏は勝てない。それが今日は生きた」と振り返る。多い日は1日200球の投げ込みで、昨冬から取り組むチェンジアップに磨きを掛けた。最後の三振も「新球」で奪った。

 187センチの大型捕手、4番の町田卓也(3年)は3安打1打点と活躍。兄直也(早大4年)は早大・斎藤のチームメートだ。「魂のこもったボールだった」とエースをたたえた。3回戦は9回逆転サヨナラ、4回戦は延長12回の接戦を制した。「粘り」を身上に、15年ぶりの甲子園に乗り込む。

 ◆東農大二

 1962年(昭37)創立の私立校。生徒数は1821人(うち女子840人)。野球部も同年に創部し、現在部員は105人。甲子園は春3度、夏は4度出場。所在地は群馬県高崎市石原町3430。松本兼太郎校長。