<全国高校野球選手権:東海大相模11-7成田>◇20日◇準決勝

 成田(千葉)のエース中川諒投手(3年)は、すっきりとした表情だった。「力を出し切れました。甲子園は自分を成長させてくれた。ここまでこれて、みんなに感謝したいです」。19安打11失点の内容にも、涙はなかった。

 1回戦から4試合36イニングを1人で投げ抜いてきた体は、思うように動かなかった。「体にキレがなかった。力で抑えないといけないと思ってたら、2回あたりから疲れが出た。全力で投げるしかなかった」。直球の最速は141キロだったが、大半が130キロ台中盤止まりだった。「相手が数段上だった」と完敗を認めた。

 5回終了後、尾島治信監督(41)から「代わるか?」と聞かれたが「行きます」と即答。「エースは1人で投げきるものだと教えられてきた」と意地を見せ、全5試合、計670球を投げきった。

 進路については「(卒業後に)プロでやりたいです。(プロ志望届も)出したい。監督と相談して決めたい」と力強く言った。中学の卒業文集で「唐川さんみたいになりたい」と書いた。あこがれのロッテ唐川を目指した高校3年間。「唐川さんを超えたい。球のスピード、キレを磨いていきたい」と今後の飛躍を誓った。【今井恵太】