工藤ホークスに、ダブルショックだ。2年ぶりの開幕カード負け越し。それ以上に痛かったのが、斐紹捕手(22)の負傷だ。鶴岡に代わり、2年ぶりに先発マスクをかぶった。アクシデントは5回に起きた。本塁クロスプレーで、今江の体当たりをブロック。本塁生還を阻止したが、代償は大きかった。相手の足が左ひざに入り、痛めた。プレーを続行したが、6回の守備から退いた。

 「ベンチから(捕球の)座り方がおかしいと言われた。ひざをついた時に、カクッとなって、いつもと違う感覚だった」

 福岡市内の病院に直行。左膝の内側側副靱帯(じんたい)が損傷していることが分かった。松葉づえ姿で球場に戻った。今日30日に再検査を受ける予定だ。新井チーフトレーナーは「半月板に問題がなければ、テーピングで固めてプレーできる可能性もある」と話した。登録抹消は決定せずに、検査結果を待つことになる。

 離脱となれば、あまりにも痛い。工藤監督は捕手の育成も重要なテーマの1つに挙げていた。中でも斐紹には「雰囲気がある」と期待していた。この日の試合前には「失敗から学んでくれたら。失敗できる時期がある」と思い切ったプレーを願っていた。中田の制球難に苦しみながらも、10年ドラフト1位の片りんを見せた。「3回まではいいリードをしていた。勝負にいく場面もあった。相手には厄介なイメージをもってもらえたと思う」と指揮官は序盤のリードを評価していた。

 チームは捕手受難の時を迎えている。正捕手細川は右手の骨折でリハビリ中。高谷はインフルエンザ発症から復帰したばかり。明日31日のオリックス戦を前に、暗いニュースにチームは包まれた。【田口真一郎】