ついに並んだ。楽天松井裕樹投手(19)が27セーブ目を挙げ、95年にオリックス平井が樹立した高卒2年目までの最多セーブ記録に追いついた。

 1点リードの9回。いつもと同じように向かったマウンドは雪辱の舞台でもあった。ソフトバンク先頭は福田。8月23日に逆転の2ランを打たれ、黒星をつけられた相手だ。「絶対に打ち取りたかった」と初球から新球を使った。カットボール。スライダーより曲がりが小さく、内角をえぐる1球でファウルを奪うと松井裕のペースだった。直球、スライダー、チェンジアップと狙い球を絞らせず最後は一ゴロに仕留めた。1死を取ると柳田、内川と強力な中軸をきっちり抑えて、勝利をつかんだ。

 1日のオリックス戦(コボスタ宮城)からカットボールを投げ始めた。「チェンジアップと直球以外の意識もつけたい」と、まだ完成形ではない。しかしバッテリーを組んだ伊志嶺は「話し合いながら良くなっている。芯も外せる」と勝負球への手応えを口にした。高卒2年目のセーブ記録に並び、大台の30セーブも見えてきた。それでも「まだそこ(30)は見ていない。1個1個です」と謙虚に話す。12球団最年少守護神はまだまだセーブ数を積み重ねていく。【島根純】

 ▼プロ2年目の松井裕が今季27セーブ目。95年平井(オリックス)がマークした高卒2年目までのシーズン最多セーブに並んだ。これまで高卒1年目にシーズン10セーブ以上を記録した投手はなく、高卒2年目でも2桁セーブは松井裕を含めて4人しかいない。